2011年4月5日火曜日

中江紀洋展「北斗の彼方へ」

 先日、北海道立釧路芸術館を訪れ、彫刻家中江紀洋氏の作品に久しぶりに出会ってきました。

 中江氏は、本協会の理事であり舞踊家の高玲子氏と親しく、半世紀以上の友人であります。

 20年程前に高玲子氏が、阿寒の草原でおこなった中江氏の作品展(野外)で舞うというので出かけた折、中江氏と彼の作品に初めて出会い、魂が大きく揺さぶられたことを忘れられません。

 その数年後、北海道立帯広美術館での彼の作品展にも出向き「高玲子氏の舞」「私の音楽」「中江氏の彫刻」と3者によるコラボレーションを楽しんだ次第です。

 その時、友人の歯科医師から調達したという歯形を用いた作品達の前では、様々な音が・様々な物語が・様々な場面が・様々な感情が走馬燈のように廻りだし、動く事が出来ませんでした。

 北海道音威子府の彫刻家「砂澤ビッキ」氏の作品も、初めて彼の作品を前にしたとき同じように感動で動く事が出来ませんでした。

 晩年、居酒屋で出会ったときの彼のギョロリとした目を忘れることが出来ません。

 しかし同じ彫刻家であり、その作品達に魂が揺さぶられるのですが、2人の作品達はそれぞれ違う揺さぶり方をするのです。

 大まかな言い方をすると「砂澤ビッキ」氏の作品は、大地に、草木に、大陸に引きずり込まれていく感じに対して、「中江紀洋」氏の作品は、空、宇宙、永遠(とわ)に導かれていく感じなのです。

 砂澤ビッキ氏は「地」であり「地球」(アース)であり「太陽系」、中江紀洋氏は「海」そして「異次元」「過去・未来」なのです。

 是非、お二人の作品に接し、魂を震えさせて下さい。


NPO法人 日本ナラティブ音楽療法協会

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